
6月18日に始まった
「香りで巡る、室生。
室生アートカフェラリー × 宇陀ジンギャラリー」。
開催から7日間が経ち、来場者は約100名となりました。
イベントとして考えれば決して大きな数字ではありません。
でも、この7日間を振り返って思うのは、
「約100名が来た」
「約100通りの対話があった」
開催前は、「どれくらいの人が来てくれるんだろう」
でも実際に始まってみると、
目の前にいる一人と話す。
その時間の積み重ねの方が、よほど大きかったからです。
今回来場してくださった方は、本当にさまざまでした。
宇陀市長、市議会議員、市役所職員、ファーマーズ・
室生アートハウス周辺の集落の方々、自治会長、
関西ジンラリーを通じて知り合ったバーや飲食店の方々。
東京から来てくださったジンバーの方。
大阪から片道約75km、
奈良・御所から電車で来られ、
宇陀や室生やジンなどについて語り続けた建築デザイナーの方。
カメラマン、仏像修復師、山岳ガイド、JR運転士。
そして、龍王ヶ淵や室生寺を訪れたあとに
立ち寄ってくださった観光客や、
大阪、京都、兵庫、滋賀、和歌山、三重、
改めて振り返ると、これほど違う立場の人たちが、
でも、もっと面白かったのは、話の中心が「ジン」
もちろん、「クラフトジンって何ですか?」
でも、その会話は必ず違う方向へ広がっていきます。
「この植物は何ですか。」
「これは室生に生えているんですか。」
「宇陀って昔から薬草が有名なんですよね。」
「どうして宇陀で蒸留所をつくるんですか。」
「この建物は昔、どんな場所だったんですか。」
気が付けば、ジンの話をしている時間よりも、
宇陀の話、


毎朝、室生アートハウスの周辺を歩き、
ヨモギ。
ドクダミ。
ビヨウヤナギ。
最初は、「宇陀の植物を蒸留する」という感覚でした。
でも7日間続けていると、その感覚も少し変わってきました。
植物は、ただ採って蒸留すれば終わりではありません。
「この辺には黒文字あるで。」
「いまはマタタビの葉っぱが白いのをよく見るやろ。」
「ネムノキの花はこれから咲くのがきれいやで。」
そんな地域の方との何気ない会話によって、
植物を知るということは、
その植物を知っている人と出会うこと。
その植物が、この土地でどう暮らしているのかを知ること。
その積み重ねが、「宇陀の植物」
同じように、「宇陀の香り」という言葉も、
最初は、蒸留した香りのことを指していました。
でも今は違います。
植物を採りに行く朝の空気。
雨上がりの森の匂い。
蒸留器から立ち上る湯気。
ノンアルコールジンを飲みながら交わす会話。
「あ、この香り好きです。」
そんな一言をきっかけに始まる対話。
それら全部を含めて、「宇陀の香り」
印象に残っている出来事もたくさんあります。
ノンアルコールジンを飲んだ方が、「晩酌でも楽しめそうですね」
別の方は、「今回をきっかけに、
香りを体験したことが、地域を見る視点まで変えてくれた。
これは、自分にとって予想していなかった嬉しい出来事でした。
また、地域の方が一度来てくださり、

口コミやSNSももちろん大切です。
でも、この7日間で一番大きかったのは、
「あそこ、
広告ではつくれない広がりが、
そして、自分自身も一つ気付いたことがあります。
今回の宇陀ジンギャラリーは、展示会ではありませんでした。
交流拠点でした。
展示を見るだけなら10分で終わります。
でも実際には、一人30分、1時間と話をしていることがほとんどです。
香りをきっかけに植物の話になり、
植物から宇陀の話になり、
最後はその人自身の話になる。
そんな時間が毎日のように続いています。
「香り」は、見えません。
だからこそ、「これは何ですか。」という問いが生まれます。
植物も同じです。
知っているようで知らないから、「教えてください。」
そして、その問いが対話になります。
今振り返ると、自分が本当につくりたかったのは、
宇陀ジンギャラリーを通じて伝えたかったのは、
宇陀という土地の魅力です。
室生という地域の魅力です。
宇陀の植物であり、宇陀の香りです。
そして、それらを知っている地域の人たちです。
香りを入り口にすると、人は自然と植物に興味を持ちます。
植物を知ると、その土地に興味を持ちます。
土地を知ると、そこに暮らす人の話を聞きたくなります。
この流れが、この7日間で何度も生まれました。
これこそが、自分が目指している「香りで巡る、室生。」

室生を巡る。
植物を知る。
香りを感じる。
人と話す。
そして、また季節を変えて訪れたくなる。
そんな循環が少しずつ生まれ始めています。
残り4日間。
来場者数をどこまで増やせるかよりも、あと何人と深く話せるか。
あと何人に、宇陀の植物や宇陀の香りの面白さを伝えられるか。
今は、その方が楽しみです。
約100名。
数字だけ見れば、小さなイベントかもしれません。
でも、この7日間で交わした約100通りの対話は、
だからこそ、この企画はまだ終わりではありません。
残り4日間も、一人ひとりとの対話を大切にしながら、「
